空前のコロナ禍を「8:2の法則」で乗り切ろう李 群 ( Qun Li )2020年4月19日読了時間: 4分更新日:2020年4月20日もう、早く終わってほしい! 世界中でのコロナウイルス蔓延は今も拡大するばかり。毎朝世界各国のニュースを見るたびに、ひどく心が痛みます。 今回のパンデミックは、一般市民の日常生活に無差別かつ途方もないダメージを与えています。それでも人は生きてゆかなければなりません。与えられている毎日を大切に過ごさなければなりません。 「危機」という漢字が示唆しているように、「危難」と「機会」は、いつも隣り合わせています。この危機的な状況に負けず、日常生活と仕事の両面で、ポジティブな変容をもたらす機会にできるかもしれません。今回は、そのための「賢人たちの知恵」を紹介します。「8:2の法則」として知られる、パレートの法則です。パレートの法則とは?パレートの法則とは、一言でいえば80/20ルール、「世界は、少数の要素が全体に対して大きな影響を及ぼすことで成り立っている」という法則です。自然界や人間の経済活動を問わず、影響の80%は20%の原因に由来するという観測事実です。たとえば、中国の武漢市で発生したコロナウイルスが、世界全体に影響を与えている事実も一つの例かもしれません。コロナ禍に対するパレートの法則の活用方法【法則1】:「自分の手が届く」20%の対処に専念しようあなた自身は、ウイルスや自分以外の世界をコントロールすることはできません(これが80%です)。しかし、自分の心がけや行動をコントロールすることはできます(これが20%です)。外出を極力控える、マスクをする、せっけんで手を洗う、よく食べてよく眠る、自分で考えて行動するなど、たとえ20%であっても自分ができることを徹底するよう心がけましょう。今できることでいえば、3密を避ける、人との接触を8割減らすなどですね。「私はどうすればいいのか?」と他の人に尋ねる代わりに、自ら考え、「私はどうすべきなのか?」いう主体的なアプローチをとるべきです。ポジティブな気持ちと冷静さを保ち、自分のできることに専念し、それを確実に実行するのです。そして、同じことを他の人にも勧めてください。共に行動できる人がいれば、心強いはずです。【法則2】: 80%価値のないものを処分しよう現在の世界、とてつもない量のモノであふれています。ほとんどの人にとって、要らないモノを処分し、より無駄の少ない人生を送るのは難しいもの。心の中では無駄を削りたい、と思っていても、「忙しい」「時間がない」‥‥そんな言い訳をして、後伸ばしにしてしまうのです。が、今やチャンス到来。多くの人は自宅にいて、自分と家族のために費やす時間がたっぷりとあるのですから!アメリカのリサーチでは、私たちが後生大事にしまってあるモノの80%は、二度と使われないことが分かっています。そして、保存するモノが増えるほど、欲しいモノが見つかりにくくなるので、なおさら使われなくなります。「では、具体的にはどのようにすればいいのですか?」‥‥ごもっともな質問です。一つシンプルなルールをお勧めします。「家の中には、役に立たないもの、美しくないもの、愛されていないものを持たない」ことです。このルールに従って、家の「モノ」の山をながめてみてください。自分にとって価値のないモノの80%を捨てれば、あなたは明鏡止水の「邪念がなく澄み切って落ち着いた心」が得られることでしょう。【法則3】: 20%の時間で80%の成果を達成しよう現代社会では、忙しいこと自体に何か価値があると誤解されています。思い出してください。あなたはこれまで誰かに「元気ですか?」と訊かれて、自分が今どれだけ忙しいか説明したことがありませんか? きっとあるでしょう。実際、私たちは胸を張ってそう言ってきたのです。しかし、盲目的な忙しさだってあります。無駄な残業はまさにその代表でしょう。実際のところ、忙しいからといって、その時間を「必要な変化」を生み出すために費やしているとは限らないです。むしろ、逆のことをしているかもしれません。さほど重要ではない作業にエネルギーを使い果たしてしまい、何のための努力だったのかとふと考え込んでしまうことになります。コロナ禍はこれまでの世界の風景を変えてくれました。「自宅でのスローライフ」‥‥それは、あなたに新しい物の見方を提供してくれます。パレートの法則(8:2の法則)に従えば、20%の労働時間で、成果の80%をもたらすことができます。逆もまた真なり。80%の労働時間は、成果の20%にしかつながっていないのです。成果と潜在能力を引き出す最もシンプルかつ最速の方法は、どのタスクが「20%のタスク」なのか見極めることです。スローライフの中で、ビジョンやゴールに照らし合わせながら、今後取り組む予定のタスクや行動リストを見直してみてはいかがでしょうか。20%しか生まない80%のタスクを委任、或いは外注してしまえば、80%を生む20%のタスクや自分が得意とするクリエイティブなタスクに思う存分取り組めます。まとめ世界は、ときに速く、ときに遅く、常に変化し続けています。それは個人も同じ。コロナ禍に負けずに、今一度、自分の人生に「どんな変化」をもたらしたいか、考えてください。本稿がそのヒントとなれば、幸いです。最後に、エイブラハム・リンカーンの名言を贈ります。"This too shall pass!"(これもまた過ぎ去るだろう)。コロナ禍も例外ではないはずです。
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